前衛短歌の旗手、塚本邦雄―その没後、同時代を生きた盟友として自ら厳選した代表歌五百首を深く、熱く、 読み解き語る 菱川善夫、畢生の仕事!
解説=永田和宏 資料・塚本邦雄五百首 写真・装幀=間村俊一
「……菱川が、自らの死の二週間前まで、淡々と塚本邦雄の生涯にわたる作品の解説、鑑賞、批評を継続したことに、 私はある厳粛な思いを禁じることができない。菱川善夫にとって、塚本邦雄こそ、生涯のテーマであり、それは とりもなおさず、菱川善夫という評論家の基底であり、レーゾンデートルでもあったのである。その生涯のテーマ、 目標に死の二週間前まで取り組むことができたことは、ある意味では、評論家冥利に尽きると言ってもいいのでは なかっただろうか。 」(永田和宏「解説」より)
【著者プロフィール】
菱川善夫(ひしかわ・よしお)
1929年小樽市に生まれる。小樽中学時代から作歌をはじめ、北海道大学大学院時代の1954年に「短歌研究」第一回新人評論に「敗北の抒情」が入選。以降評論活動を展開、前衛短歌運動の理論的支柱となる。2007年死去。
『菱川善夫著作集』(全10巻、沖積舎)、『菱川善夫歌集』(2013年、短歌研究社)等著書多数。
2018.6.3刊
四六判並製/380頁
ISBN978-4-86272-579-0