第19回 現代短歌新人賞受賞!
けれど、犀利な彼女は知っている。
その風で あたためられた
世界の余熱に、
歌の言葉が
生かされていることを。
──堀江敏幸(帯文より)
短歌研究新人賞受賞作「冬の火」を収録。
たしかな足取りを示す第一歌集!
【歌集より】
君はいま泣かねばならぬ 今すぐにレイン・コートを脱がねばならぬ
祖父の記憶は雪に近づきわたくしはピエロの顔をしたゆきだるま
頬のつめたきはずのひとりをさがしつつ蕾のおほき庭を歩めり
答へなど持たぬまま会ふ雪の日に会へば雪降ることを話して
旅先にふたりでひとつのトランクを引きゆくやうに君と暮らさむ
装幀=岡孝治+鈴木美緒
2018.6.15刊
B6判/192頁
ISBN 978-4-86272-586-8