馬場あき子の作品世界をここに集結
第一歌集『早笛』から『葡萄唐草』に至る、
9歌集より自選した1600首を収載。
「九歌集から自選された、この『馬場あき子歌集』は、
現時点における馬場あき子の抜抄であることにも意義があろう。」
(島津忠夫「解説」より) 1987.1初版時
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✼『早笛』(抄100首)
怪我した手そつとかくしてガラス割りし少年は泪ぐみ叱られに来る
✼『地下にともる灯』(抄127首)
労働の歴史を説きて旗手たらぬ手か憎まれてポケットにある
✼『無限花序』(抄137首)
蕭索と夏かわきいる下つ道〈幸せのうた〉などはなかりき
✼『飛花抄』(抄200首)
衰えし魂ひとつさすらわん夕日浄土のふるさとの山
❀『桜花伝承』(抄230首)
さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり
✼『雪鬼華麗』(抄195首)
冬野ゆく閑吟集こそかなしけれ声にうたえどわれは狂わぬ
✼『ふぶき浜』(抄204首)
捨て船と捨て船結ぶもがり繩この世ふぶけば荒寥の砂
✼『晚花』(抄200首)
生きてなほ一寸先の闇わたる冬夜の凍みを啼け川千鳥
✼『葡萄唐草』(抄207首)
見るほどは紅葉になだれゆく秋の速度をみつつ北陸へ来ぬ
▧既刊全歌集より1600首を収載。
▧口絵・年譜付/解説=島津忠夫
短歌研究文庫 第十三篇
1987.1.28初版印刷発行
2025.11.10十二刷(新装版第一刷)印刷発行/2025.12.24発売
文庫判/176頁
978-4-88551-144-8