〈歌集より〉
大丈夫、大丈夫よと励まされやぶれかぶれでやってみようか
踏まれてもまた起き上がる麦青く なぜかその色忘られぬ色
こんなにも象のまつげは長いのとサファリバスより窓越しに見る
行くときも帰るときにも同じ道けれども違う何かが違う
子どもらの背を記したる柱傷カメラに収め家を手放す
ひまわりは光求めて伸びゆくも位置定まればもう動かざり
「『象のまつげ』はどの頁から読み始めてみても面白い。それは、変に気取ったところはなく、日常を曝け出しているところにあり、そこに著者の持ち味があるからだろう。」 綾部光芳(跋)
2020.6.30刊
四六判ソフトカバー/214頁
ISBN978-4-86272-646-9
C0092 ¥2500E