「本書はプレス・コードの規制の影に覆われた、終戦直後の四年余にわたる
短歌雑誌の検閲の実態を検証するものである」(あとがきより)
言論の自由が明言された一方で、GHQにより秘密裏に行われた検閲。
プランゲ文庫に保管されていたすべての短歌雑誌111誌331冊と、
そこに付された検閲文書を精査し、短歌一首一首への具体的な検閲の内容や
処分決定までの生々しい実態に迫る。
『兵たりきー川口常孝の生涯』の著者による渾身の成果。
【目次より】
第一章 GHQの短歌雑誌検閲
第一節 検閲の実態
1 検閲組織
2 日本出版法(プレス・コード)その他の規制
3 検閲の手順
4 「槻の木」「不二」の検閲
5 違反処分の内容
6 原子爆弾とマッカーサー
7 事後検閲へ
8 検閲者
第二節 検閲関係資料
1 雑誌検閲票
2 雑誌処理票
3 雑誌発行届
4 新聞・雑誌傾向調査表
第二章 第一区検閲局(東京)の検閲
北海道/東北/関東/東京/ 甲信越・東海(静岡)の短歌雑誌検閲
第三章 第二区検閲局(大阪)の検閲
北陸・東海(岐阜・愛知)/近畿・四国/の短歌雑誌検閲
第四章 第三区検閲局(福岡)の検閲
中国/九州の短歌雑誌検閲
附 検閲関係年表・検閲短歌雑誌索引
A5判並製/324頁
まひる野叢書
ISBN978-4-86272-661-2