まだ小さな娘と私
夫、父として、
教員として、
世界の中のひとりとして
ほろ苦い日々
ときにひとり酒を酌み
歌友と語らう
四十代なかば、
充実の日々。
若山牧水賞受賞『ゆりかごのうた』につづく
2014年から3年間の455首をおさめる第五歌集
〈歌集より〉
呑むための器ばかりが増えてゆく四十半ばの白い白い闇
おやすみを言はずに妻が寝てしまふ家族三人になつたころから
ふりつもる雪はなけれど月光のふりつもりつつ吾子はねむれり
この酒はだれが飲ませる我酒かな生徒を思ひ二親を思ふ
居職でも出職でもなく満席があたりまへなる教室にゆく
四歳をぐぐつと抱けば背骨あり 死にたくないな君が死ぬまで
コスモス叢書
2017. 5.16刊
四六判/192頁
定価2,970円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-526-4