梟を待つ   植田珠實歌集

その歌は、やわらかく茫洋としており、それでいて不思議な鮮やかさを持つ。
古い時間と不確かな〈今〉を行き来しながら、目の前にあるものを、
やわらかなまなざしで包みとる。
                         吉川宏志(解説より)


【歌集より】  

たちのぼる霧は三輪山より生れて母もいつしか隠れてしまふ

沢蟹の朱のちりぢりに隠れゆき始神峠の翳の深まる

みづうみは風のかたちに凍りたり脚を曲げつつ牡鹿が渡る

小学校の軋む廊下をバケツ持ちくれし少年といまも棲みをり



2017. 8.8刊
山の辺叢書
四六判/196頁
ISBN 978-4-86272-535-6
販売価格 2,700円(税込2,970円)

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