アネモネ・雨滴   森島章人歌集

第一歌集『月光の揚力』から十八年。
生と死を架橋する
第二歌集!

「まるで無造作に投げ出すように示された体言の連打。
『アネモネ・雨滴』には痺れた。
言語感覚の鋭さこそこの歌集の大きな魅力なのである。」
(村木道彦・栞文)


〈歌集より〉  

雛罌粟の揺るる向かうをしめらせて今宵阿修羅が足洗ふ音

いにしへの悲歌石に封じられ生きてあるうち聴かず知らざり

天に唾吐く日も夜の翼降りくるとからくり時計の小鳥が告げる

抽斗に海をしまへば生きやすき少年といふもろき巻貝

きみの掌になぜに集まるふはふはと舞ひそびれたる花粉、雪など

暗きところをかすかに上りやがて咲くあなたの息がアネモネと言ふ

栞=村木道彦/吉田文憲/今野裕一
装幀=間村俊一


2017.9.26刊
A5判変型/192頁
定価3,300円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-530-1
販売価格 3,000円(税込3,300円)

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