「八十年余をふりかえると、窓外を景が過ぎるように淡々と思い返されます。
歌を読み返しつつ、かすかに甦ってくる『いのちのこゑ』
それは、私の人生の通奏低音なのでしょう。」(あとがきより)
〈歌集より〉
炎帝のゆるまず蟬のさかんなる忌の月六日 九日 十五日
大地より刈りて綯ひたる藁縄の遊びにまかすとふ鉾の雅びは
夫在りてこそのひと生と告げたきよさあ越えてみむ八月の峠
まどろみつつ覚めつつ見つる雲の影音なくゆけりわれはいづくぞ
好日叢書
2017.10.12刊
四六判/224頁
定価2,970円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-550-9