第22回 現代短歌新人賞受賞!
2013年第56回新人賞受賞作「目覚めればあしたは」から
「短歌研究」連載まで8年間の作品をまとめた待望の第一歌集。
子育て、仕事、生活…現代女性のひりつくような日々を、
冷静な視線をもって、みずみずしい感性でうたう。
【歌集より】
地下鉄でレーズンパンを食べてゐる茶髪の母だついてきなさい
たつぷりと遊びつくしたあとに来る小筆のやうなさびしさがある
みどりごはくたくたに疲れ生まれくる初夏さわがしい分娩室に
「日本死ね」までみなまで言はねば伝はらぬくやしさにこのけふの冬晴れ
いつか詩になると信じてやり過ごす日々にシンクの泡は壊れて
うすあをき雪の降りつむいろは坂 〈な〉のカーブより下り始めつ
装幀=花山周子
【著者プロフィール】
山木礼子(やまき・れいこ)
2011年「未来賞」受賞。
2013年「目覚めればあしたは」で第56回短歌研究新人賞受賞。
2021. 9.10刊
四六判並製/136頁
ISBN 978-4-86272-687-2