短歌になりたい。純粋になりたい。
短歌研究新人賞受賞作「いつも明るい」を含む、
高校生活、大学生活の中で作った短歌260首を収録。
淡い光につつまれた、かけがえのない青春像。こころもとなさや
不安感、寂しさなどをかかえながらも、ふてぶてしくて
たくましく生きる日々をうたう。
【歌集より】
鼠に続く鼠の影が ほんとうに寂しいときはどうすればいい
傷つけるように電車が過ぎていく 心臓同士をくっつけたいの
映画にはならないただの暗い日々 薔薇の模様のセーターを買う
モンスターボールに戻されるときの白い光で安心したい
四つ葉かと思ったら三つ葉が重なってそう見えただけ プレゼントだよ
絹川柊佳(キヌガワシュウカ)
2016年「いつも明るい」30首で第59回短歌研究新人賞受賞。
2022. 5.30刊
四六判並製/152頁
ISBN 978-4-86272-710-7