母の如く  鈴木恵子歌集

第一歌集『久遠の学舎』で三十年にわたる教師生活を振り返った著者が、
その後の土を耕す充実の日々を詠む。
畑仕事の先達である母の存在は揺るぎない。
母と手を携えながらの仕事の歌は、土の温もりを忘れがちな読者の心を
大いに打つことだろう。
                  ──黒岩剛仁(帯より)


【歌集より】

ふかぶかと耕しし土を踏む喜悦母とわかちあひ畑に生きをり

一ミリが五メートルになる確かなる野菜の時に母をあふぎみる

火を囲み昼とりながら母と二人笑ひあふ今の永遠にあれかし

愚痴ひとつこぼすことなく黙黙と働く母に頭を垂れる

母とともに豆掘る時の我にあり叫びだしさうだこの幸せに


【著者プロフィール】
鈴木恵子(すずき・けいこ)
1950年 千葉県生まれ
2007年 「心の花」入会
2021年 第一歌集『久遠の学舎』上梓


2022.7.7刊
四六判上製/204頁
ISBN978-4-86272-707-7
販売価格 2,000円(税込2,200円)

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