歌集名は、勤務の傍ら、病の子に寄り添った歳月を振り返って決めました。
これからの出会いに私も月のような存在でありたいという、ささやかな
願いを込めました。 (あとがきより)
車椅子のわが子への〈子恋い〉の歌を通奏低音とし、424首を纏めた第一歌集
【歌集より】
園で待つ子に会へることを安らぎとし夫亡きあとの一切を負ふ
風雪を浴び屋根瓦を伝ひゆく黙々と水道管を直せる人は
くり下がりの引き算は児らのハードルにて手順整へ授業に臨む
外気喜ぶ子を車椅子に乗せ春秋の光浴びしを恋ふる日も来む
2022.10.16刊
かりん叢書
四六判上製/208頁
ISBN978-4-86272-717-6