祈りの心は果てしなく言葉から遠ざかってゆくのだろうか──
「現代社会の言葉が、自分の知っている言葉とはちがう」という不安と、
「それでも」という決意に揺れながら。
2020年の終わりから2024年の初めまでの468首を収めた第十六歌集。
《歌集より》
猛暑日は浮き世ばなれをしてゐたい豆腐のいろのワンピース着て
止まりてはまた止まりては窓をゆくもうAIかもしれない蜘蛛が
反戦ははるかなる虹見えながら指さしながらだれも触れず
ベビーカーはさくらの下に いくたびも生まれかはりてみどりごねむる
古猫のひとり遊びのあさあけのこんなやさしい日をありがたう
装幀= 鈴木成一デザイン室
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2024. 7.7刊
コスモス叢書
四六判変型・上製/276頁
ISBN 978-4-86272-776-3