人間にとって言葉とはなにか?
短歌の言葉とは?
「短歌研究」での28回にわたる連載を纏めた渾身の一冊
人間にとって言葉とは何か、短歌が具えている日本語の生理とはどういうものか、
著者は短歌に興味を持った当初から半世紀に渡り考え続けて来た。
その解決できない問いに、短歌の鑑賞をとおして正面から向き合い、今日までの思いを綴った一書。
2017年1月号から年2019年6月号までの28回にわたる連載に加え、
巻末に「短歌における「われ」の問題」を併収した。
「和文脈を追いかけて」という試みは
短歌を詠むという営みを通して、
日本語という言語の〈生理〉がいかに
豊饒な可能性を蔵しているかを体得させてくれる。
──池上嘉彦(言語学者)
【目次】
第一章 宮中歌会始
第二章 短歌の声について
第三章 順番が生むもの
第四章 場所と記憶
第五章 和文脈の中の〈私〉
短歌における日本語としての「われ」の問題
豊穣の「和文脈」を求めて──今井恵子の詩学|池上嘉彦(東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻名誉教授)
あとがき
人名索引・事項索引
【著者略歴】
今井恵子(いまい・けいこ)
1952年 東京都生まれ。
1973年 早稲田大学在学中に「まひる野」に入会して作歌を始める
現在、「まひる野」の選歌・運営委員
歌集 『分散和音』(1984/不識書院)
『ヘルガの裸身』(1992/花神社)
『白昼』(1996/砂子屋書房)
『渇水期』(2005/砂子屋書房)
『やわらかに曇る冬の日』(2012/北冬舎)
『運ぶ眼、運ばれる眼』(2022/現代短歌社)
歌書 『富小路禎子の歌』(1996/雁書館)
『ふくらむ言葉』(2022/砂子屋書房)
編著 『樋口一葉和歌集』(2005/筑摩書房)
2008年 「求められる言葉」にて第26回現代短歌評論賞受賞
2023年 『運ぶ眼、運ばれる眼』にて第9 回佐藤佐太郎賞受賞
2024.10.10刊
まひる野叢書第415篇
四六判ソフトカバー/328頁
ISBN978-4-86272-780-0 C0095