「どこにも派手なところがなく、ただただ温かい。
家族とも故郷とももちろん庭とも、温かな繋がりの中に古瀬さんはいる。
読めば気持ちの暖かくなる歌集である。」
沖ななも(跋より)
《歌集より》
黒牡丹を一本枯らしこの夏が行きつ戻りつ遠のきてゆく
買い物の袋は夫が持つといい大根一本さらに買い足す
一年を空き家にしており来てみればヤモリに驚くヤモリの驚く
虫喰いもごあいきょうと大葉摘む 今朝のサラダはうふふワイルド
《著者プロフィール》
古瀬貞香(こせ・さだか)
1942年 長崎県生まれ
1995年 高島屋短歌会 沖ななも講座に入会
1999年 「個性」入会
2004年 「個性」終刊により、創刊の「熾」に入会 現在に至る
2024.9.18刊
熾叢書第110篇
装幀 辻村敦子
四六判ハードカバー/200頁
ISBN978-4-86272-784-8