霞ヶ浦が生活の拠と記す著者の『春よ来い』につづく第四歌集。
「過ぎし日の風景に旅すれば、ゆっくりと瞬きしながら
全てを抱擁してくれるふるさとへの道がある。」(あとがき)
【歌集より】
秋の日の霞ヶ浦はしずかだね 無数の波の涙のように
湖沿いに投網干されて朝の陽に潮の香りを放ちていたり
日没のひかりに遠く雲みえてただひたすらにゆく 秋つばめ
霧雨に鳴く山鳩や日の暮れにひびかう声が谷にこだます
【著者略歴】
岡田恭子(おかだ・きょうこ)
1975年 同人誌「餐」創刊に参加
1975年 茨城県芸術祭優秀賞
2010年 第一歌集『水鏡』にて茨城文学賞
2014年 第二歌集『夏を曳く影法師』刊行
2021年 第三歌集『春よ来い」にて茨城県歌人協会賞
かすみがうら市「出島短歌会」代表
2024.2.15刊
四六判ハードカバー/216頁
ISBN978-4-86272-753-4/C0092