昭和30年頃より短歌を志し、
思いがけない賞を受けた日もあった。
「今はなにを考えることもなく、静かに日々を過ごしている」(あとがき)
と記す著者が人生の証とした第一歌集。
【歌集より】
しめりもつ朱夏の木下の小暗きに汝の化身のごとき夕すげ
揺れやまぬ心にピリオド打つごとく疎林の中をどこまでもゆく
淋しいと何で云わない白木蓮 夫亡き我に溢るる花よ
わが裡の聖域ひとつまもり来て あした木槿の白き花透く
【著者略歴】
佐柄郁子(さがら・いくこ)
2024.2.10刊
新書判/170頁
ISBN978-4-86272-761-9/C0092