白梅玄冬(ハクバイゲントウ)  影山美智子歌集

混迷の今を生きて平和と平穏を願いつつ、思いは常に亡き夫とともにあり、独り暮らして十年。
庭の白梅に夫を偲び、夫の故郷、伯耆大山を望む地へと旅をする。

作歌歴五十年余となる著者の米寿を記念する第八歌集


《歌集より》
病み臥せる夫に白加賀光りてゐしか咲いたかと問ひし顔のさびしさ
鳥影のゆきかひよぎる冬の庭独りとふ寂 孤りとふ贅
母鯨に添ふ子くぢらの白雲ゆき 子に添ひやれず幇助の母はや
出陣の雨の靴音忘れつつ新競技場の異様ふくらむ
伯耆富士けのこる雪にて剛さあり在りし日の夫しのぶによき日
うから寄る扇の要と知る齢(よはひ)いく春のこるや花植ゑ待つは


2024.3.18刊
四六判・上製本/224頁
ISBN978-4-86272-764-0



販売価格 2,500円(税込2,750円)

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