「事実」の中に詩がある。
「事実」は、思索を経て歌となる。
読者は著者の目で見、思い、そして感じるー。
初めての女孫「和」の名を冠した第四歌集。
【収録作品より】
兄よりもたくさん食べる妹は太き足もてまた飛び上がる
半分は聞こえるらしい食卓の会話に母はほほえみている
耳飾り、青いターバン 横顔がふりむいて見る私の心
よろこびは不可算名詞朝顔は咲けども咲けどもまた今日を咲く
風涼しハイデルベルクを流れゆく川あり人あり鐘なりやまず
【著者プロフィール】
1954年生まれ。元労働基準監督署長。
1993年竹柏会心の花入会、佐佐木幸綱に師事。
2017年より中部日本歌人会副委員長兼事務局長在任中。
歌集
『人定』(2003年刊)
『芒種の地』(2016年刊)
『吟』(2020年刊)
2025.2.22刊
四六判ソフトカバー/168頁
ISBN978-4-86272-793-0