無数を振り切っていけ  馬場めぐみ歌集   

  
    身を投げる無数の窓を振り切って生き延びて今晴れた公園


      短歌研究新人賞受賞から13年を経て、待望の第一歌集。321首を収録。


窓によぎるいくつもの憧れを振り切って、ここまで来たんだな、あなたは。
お互いそうやって生き延びてきた。 ――山中千瀬

剝き出しの迫力に惹かれ、魂の熱量に感嘆した。
「生き延びて今」は晴天に掲げられたトロフィーだ。
 ――栗木京子

無力さの中の凄まじい輝き。
〈私〉の前に広がる膨大な未来からの圧が、今ここを永遠に接続しているようだ。
 ――穂村 弘



【収録歌より】

歯ブラシで排水口をひたすらにこする時の目でなにもかもを見る

浴槽は海に繋がっていません だけどいちばん夜明けに近い

あなただけ方舟に乗せられたなら何度も何度も手を振るからね

二十二で死なずに今日も金星はおもちゃのごとく可愛いひかり

思春期に正しい終わらせ方はないけれどもう壊れたくならないな





【目次】

?
見つけだしたい
手のなかの色彩 
過ぎていくもの 
うまれるように 
かん じゅ せい 
生きるさかな 
撃ちころして 
ブランコの終わり 
夜に挨拶をする 
春の死 
ぼくらのはなし 
雪、美しさ 
if 

 ?
負け戦 
書けなくなるよ 
宝石 
千年のこと 
暁を恐れている 
移り変われば 
ライラック
BUMP OF CHICKEN 

 ?
夏に向かって 
初夏の果実 
受賞から十年
混沌にて 
膜に覆われた日々のなかで
晴れた公園 
明るい寝息 

 あとがき前章  外側からの危機とすれ違う/見えないフリをしていた傷を
 あとがき 



装幀=花山周子


【著者について】
1987年生まれ、北海道出身。
筑波大学人文学類在学中に短歌を始める。
2011年「見つけだしたい」で第54回短歌研究新人賞受賞。
結婚後、愛知県、タイ・バンコクで暮らしたのち、現在滋賀県在住。





2025.6.26刊 
四六判上製/160頁
ISBN978-4-86272-797-8
C0092
販売価格 2,200円(税込2,420円)

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