新潟の豪雪地帯に育ち、今は関東に住む著者が8年間の作品を纏めた第二歌集
人間としてこの世に生きる深い喜びをたっぷり湛え、
楽しさに満ちた歌集である。 ―― 高野公彦(帯より)
【歌集より】
妻に添ふわたしのごとし副虹はおほきくうすく虹に寄り添ふ
蛍にも星にもならぬ亡き児らは缶蹴りしをり真夜の校庭
無理してもできぬ槍投げ無理せずにできる投げ遣り 力まず生きる
友をりて人情ありてじよんのびな津南で飲む酒まことにうんめ
侵略で飢餓でをさなごさへ逝くを高度医療でわれは永らふ
酔ひ止めにトラベルミンがきくやうに老い止めによく効きをり短歌
2025.7.20刊
コスモス叢書
四六判並製/220頁
ISBN978-4-86272-809-8