紺野裕子さんのふるさとはみちのく福島。ふるさとと
クラッシック音楽をこよなく愛する。
原発事故にこころを痛め、また世界の不条理な出来事に
目を向け、祈る。清冽な抒情の音楽が、いつもそこには鳴っている。
── 小池 光(帯より)
【収録歌より】
東北のことば訛りを体臭のごとく恥ぢたりわれ若くして
身づくろふひととき朝の陽は差すやアウンサン・スーチー氏拘束の室
オリジナルのハンカチーフを襟もとにわたしも巻かむ いちのベル鳴る
チェリストの厳格にして薫りたつバロック世界がひらかれてゆく
たてがみは黒々として小澤征爾ブラームス振るになみだ垂れたり
吾が推しのダルビッシュ有 絶頂期をすこし過ぎたる男こそよけれ
装幀=倉本 修
2025.10.26刊
四六判上製/168頁
ISBN 978-4-86272-818-0