東日本大震災から15年
津波は 原発事故は
どのように詠われてきたか
短歌とは何か
文学としてのみならず、その時々を映す貴重な記録として
震災後の短歌を、ねばりづよく見つめてきた筆者の
15年の営為
今年、東日本大震災から15年となるのを機に、震災に関わる短歌についての考察・エッセイ・聞き書き等をまとめた一冊。
第一章は震災の短歌についての論考。第二章は講演録とエッセイ。
第三章は著者が所属する「塔短歌会・東北」が震災後、毎年発行してきた「99 日目」〜「5133日目」の短歌から震災の諸相を読み解く。
第四章は岩手・宮城・福島在住の五人への聞き書きとなっている。
震災時・震災後の状況や当時の心情を記録するものとしての短歌、という、
文学とは異なった視点から短歌が捉えられている。
【目次情報】
はじめに
第一章 論考
東日本大震災における津波の歌
死者と自然 ―東日本大震災における桜の歌
うたの読みへの考察 ―震災一年後の「桜」における「震災読み」
原発事故を詠む ―直後の歌から
今、阪神・淡路大震災の歌を読む
五年目の諸相 ―東日本大震災から五年の歌を読む
柏崎驍二『北窓集』の震災の歌を読む
石川美南「千年選手」の岩手
第二章 講演録 エッセイ
講演録 震災と短歌 ―私の場合
エッセイ
三度目の新年/三年という時間/詠い続けること/見ていない風景/
震災後初めて詠んだ一首/うたをよむ/「昔話」にはできなくて/
私を作った歌集/私をぶん殴った震災の歌/〈震災〉を十年詠んできて/
夕方の海に/待つ/椿/新春/浜辺/海/秘密基地/海鞘/春に/
原発を詠むことによせて/防潮堤/遺構/東日本大震災における短歌以外の表現/
出会う/名前/うちは、二人。/コーヒーメーカー/人生を見る方向
第三章 短歌にみえる東日本大震災の諸相
「99日目 東日本大震災ののちに」〜
「5133日目 東日本大震災から十四年を詠む」より
第四章 聞き書き
内海えり子さん/千葉由紀さん/横田有平さん・横田静子さん/遠藤たか子さん
【著者略歴】
梶原さい子(かじわら・さいこ)
1971年、宮城県気仙沼市唐桑町生まれ。歌人。歌集に『ざらめ』(青磁社)、『あふむけ』(砂子屋書房)、『リアス/椿』(同)、『ナラティブ』(同)、『現代短歌文庫 梶原さい子歌集』(同)。歌書に『落合直文の百首』(ふらんす堂)、共著に『3653日目〈塔短歌会・東北〉震災詠の記録』(荒蝦夷)。『リアス/椿』で第十一回葛原妙子賞。第二十九回現代短歌評論賞、第一回塔短歌会賞等受賞。塔短歌会選者。朝日新聞みちのく歌壇選者。現代歌人協会会員。日本民俗学会会員。高校教員。
装幀=岡 孝治
2026.3.11刊
塔21世紀叢書
四六判ソフトカバー/364頁
ISBN 978-4-86272-822-7