メサイアと車椅子    生田澄江歌集

人生の多くを占めてきた音楽への思いと、
歴史学者である伴侶の闘病生活を見守った日々。
評伝『瓜生繁子――もう一人の女子留学生』など、
自らも歴史研究者としての著作を持つ作者による、
二つのテーマの第三歌集。


「2017年から2026年までの生活、思索の記録とも言うべき
この歌集の上梓を、心よりお祝いしたいと思う。」  
                  沢口芙美「跋」より





【歌集より】

歌声での人道支援諾ひて夕ベラッシュアワーに抗ひて出づ

メサイアの楽譜日ごとに重くなり巡礼のごと通ひつめたり

音楽に寄り添ひ生き来終(つひ)の日に聴きたき楽を思ふこのごろ

透析の夫送り出す山茶花のうすき花びら震へゐる今朝

肩ふれて歩むこともう無けむ車椅子も杖も拒む夫とは

深む秋スプーン二匙のゼリーをも飲み込み泥(なづ)む夫をかなしむ




【著者プロフィール】
(いくた・すみえ)
東京都生まれ
法政大学大学院修士課程修了(日本近代史)
歌集 『弾かないピアノ』(2005年) ながらみ書房
   『弾かないピアノ 改訂版』(2014年) 文芸社
   『チャルダッシュ』(2014年) 短歌研究社
現在、「滄」短歌会に所属
日本歌人クラブ会員
著書 『瓜生繁子――もう一人の女子留学生』(2009年) 文藝春秋
   『幕末、フランス艦隊の琉球来航――その時琉球・薩摩・幕府はどう動いたか』  
   (2014年) 近代文藝社



2026.4.25刊
四六判上製/184頁
ISBN 978-4-86272-824-1


販売価格 2,000円(税込2,200円)

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