「窓日」主宰・歌会始の召人であった清水比庵師より「翏女(りょうじょ)」
という筆名を授かってから既に五十年余。
その後、みずから「門の会」を創刊し、25年にわたり発行。
キリシタン大名・大友宗麟の築いた城下町臼杵に生まれ、長い年月、歌のある
人生を送れたことに感謝する、と述べる著者の第一歌集。
【歌集より】
老いざくら枝垂れつつなお婉なるを見つつ一会の被写体となる
目瞑ればふるさとの海藍深く「望郷のバラード」弦の音沁むなり
歌ありて友ありて集う飛驒古川こころひとつに見る鯉やある
貫入の古りし花瓶の色閉じて秋の風雨の夕べ激しき
想い出のよすがとはせん期限切れし旅券いくつをまた仕舞いたり
さくら咲く樹下に座りし想い出も遥かとなれり夫の手を引く
風の解くわが銀髪に及ぶ陽の温くなりきぬ昼は深しも
ガラス越しに吹く風見えて水仙の花のたわみの自ずと耐うる
【著者プロフィール】
小林翏女(こばやしりょうじょ) 本名 小林紀久子
1941年 大分県臼杵市生まれ 鎌倉市在住
1959年 県立臼杵高等学校卒業
1963年 日本女子大学文学部卒業
1970年 「窓日」入会
1976年 「麓短歌会」創刊に参加 編集担当
1999年 「門の会」を創刊 編集兼発行人
2024年 「門の会」終刊 創刊二十五周年記念合同歌集出版
日本歌人クラブ会員
消費生活アドバイザー
2026.6.27刊
四六判上製/192頁
ISBN 978-4-86272-828-9