「三十五年ほど子供たちの受験勉強に携わって来て、受験の合否を知るのが
ちょうど白梅の咲く頃でした。晴れやかに帰る子供たちを梅の香りのなかで
何人も見送ってきたことは、私の財産として刻まれています。
母が亡くなったのが梅の咲く二月であったことも併せて歌集の題名を「白梅」
としました。」 あとがきより
【歌集より】
冬うらら落ち葉かきいる我がせなに母の手ほどの温もり覚ゆ
九十歳超えし父母作りたるちまきに浮かぶ故郷の大釜
天界の冬の宴のなごりとも梅花にはらり粉雪おどる
明日には山ほど仕事待つという子を送りゆく最終の駅
山深く錆びゆく橋のこれよりは夫の油彩に朽ちることなし
形見なる小紋着て立つ姿見に在りし日の母ふっと現る
【著者プロフィール】
昭和24 年 宮崎県生まれ 関西大学卒
平成17 年 「窓日」入会
平成28 年 「窓日」新人賞受賞
令和元年 「窓日」比庵賞受賞
令和4年 「遊光」主宰
2026.8.25刊
A5判上製/200頁
ISBN 978-4-86272-831-9