春日井建論  詩と短歌について   彦坂美喜子著

2024年度 中日短歌大賞受賞‼️

春日井建の言語表現者としての思想に迫る

師との出会いから四十余年、没後二十年を機に刊行!
残された九歌集とこれまで論じられることの少なかった詩作品を繙き、
新たな側面からその言葉の世界に光を当てる。

「井泉」連載「春日井建の詩について」、「春日井建の歌について」を再構成。



【目次より】

? 春日井建の詩の世界
 1「裸樹」の時代  無題の詩一篇、 「火喰鳥の話」  
 2 「裸樹」の時代  「自画像」、「朝園の小説」、「寓話」  
 3 一九六〇年代の詩「旗手」の時代   「犬山のモノレール」  
 4 「旗手」7号  ジャン・ジュネ「卵のジュネ」、「石のジュネ」、「花のジュネ」  
 5 「旗手」8号   「サド侯爵」
 6 「旗手」9号  「気ちがい兄弟のランプ」  
 7 『証言 佐世保 '68・1・21』に寄せた詩  
 8 一九七〇年―一九八〇年代の詩について  
 9 「国鉄旅路」創刊号と終刊号の詩  
 10 詩集『風景』論   時間の流れの中に風景を取り込む  

? 春日井建の短歌の世界
 1 若い感受性が見ていたもの──『未青年』以前  
 2 自我像の根ッ子―― 内なる権力をあらわにする言葉── 第一歌集『未青年』  
 3 若さを蕩尽する生き方を選ぶ── 第二歌集『行け帰ることなく』  
 4 生きる悩みを量る天秤── 第三歌集『夢の法則』  
 5 歌への復帰に込められた思想 虚実の織物── 第四歌集『?葦』  
 6 ただ鎮もれる言葉の蔵── 第五歌集『水の蔵』  
 7 時間があらかじめ失われていた歳月のなかで── 第六歌集『友の書』
 8 書けざるものなどなしといふ檄── 第七歌集『白雨』  
 9 造型される井泉の世界―― 照り返す光として── 第八歌集『井泉』  
 10「虚構の自伝」としての歌の世界── 第九歌集『朝の水』  
        
補遺1 〈今という時間〉と〈綺語〉の思想  
補遺2 春日井建の?失われた時?とはなにか──その俤と死と愛と  
 
 

装幀=間村俊一


【著者プロフィール】
彦坂美喜子(ひこさか・みきこ)
1947 年 愛知県生まれ。
1985 年 春日井建主宰の中部短歌会入会。春日井建逝去により中部短歌会退会。
2005年 名古屋で井泉短歌会を竹村紀年子らと設立。短歌誌「井泉」創刊。
     2022 年より「井泉」編集発行人。
短歌誌「鱧と水仙」同人。詩誌「イリプス」同人。
歌集『白のトライアングル』、詩集『子実体日記』、共著『塚本邦雄論集』等。



2024.6.24刊
四六判上製/380頁
ISBN 978-4-86272-775-6
販売価格 2,500円(税込2,750円)

カテゴリーから探す

コンテンツ