はりりんの歌  針馬日出美作品集

「とにかく、私は今ここにこうやって生きていられることが
 すごいうれしいし、幸せなんだ。」
           (日記「17歳の夏休み」より)
 

友だち、学校、家族、自分──。
13歳から17歳、いつも一生懸命だったあの頃。
短歌と日記でつづる「はりりん」の夏休み。


(本書より)
・とうめいの箱に入ったクリップの上向き下向き幾何が解けない
・今ここにある物すべて無垢の目でみたならきっともっと美しい
・小さくてもいいから私は月よりも自力で光る星になりたい
・まだ来ないまだまだ来ないと首のばす合宿初日のプラットフォーム
・広大な山と空にも負けてない生き生きとした友達の瞳
・声高く笑う私を冷めた目で見つめる自分がどこかに住んでる
・角ばった岩にくっつく巻き貝をとりながら思う「生きているんだな」
・くやしさに流した涙も明日には消えてなくなる母子(おやこ)のけんか
・医学生として初めて患者さんと接する気持ち忘れずにいたい
・さくら咲く咲く咲くさくらその胸の涙があふれでたかのように


【著者プロフィール】
針馬日出美(はりま・ひでみ)
1983年 埼玉県に生まれる
2002年 桜蔭学園高等学校卒業
同 年 慶應義塾大学医学部入学
2008年 同大卒業、医師免許取得
2014年 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程入学
(iPS細胞を用いて悪性高熱症の解明に取り組む)
2015年 博士課程2年時、死去
2016年 桜蔭学園図書室に針馬日出美文庫が設置された


(編集部より)
故・針馬日出美さんの日記と短歌とイラストに、母・仰木奈那子さん(「迯水」所属)が撮り続けた写真を合わせた、「写真歌」作品集です。
「自分とは何か」、「生きるとはどういうことか」と、つねに自らに問いかけている娘の短歌と文を同世代の人たちにも読んでいただきたいと、写真とイラストと短歌と日記で、日出美さんの生きてきた心の軌跡を、手に取りやすい文庫本として出版しました。


2022.6.11刊
文庫判/160頁
ISBN978-4-86272-706-0
販売価格 1,500円(税込1,650円)

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