桜もみぢ  中村崇子歌集

三十歳をすぎて齋藤史に出会い、
第一歌集『ほのあかり』上梓から十三年――。
歌は時を刻みつつ、生きてあることのかなしみやよろこびを照らしだす。
そして明日へ。待望の第二歌集。


【歌集より】

わが生きてゐる間(ま)は君も在りぬべし夜の紫陽花に降る銀の雨

コロナ禍に何の実生か双葉して小さな庭の夏のたのしみ

金木犀の花季(はなどき)すぎてまた日々をわれと対き合ふ濃みどりの黙(もだ)

供へすることを覚えし幼子が桜もみぢを選(え)りつつ拾ふ


【著者略歴】
中村崇子(なかむら・たかこ)
1944年 釜山生まれ
1976年 齋藤史主宰「原型」に入会
2010年 第一歌集『ほのあかり』
2013年 「原型」終刊 現在は「象」「水星」に所属
日本歌人クラブ会員




2024.2.29刊
四六判ハードカバー/180頁
ISBN978-4-86272-762-6/C0092
販売価格 2,700円(税込2,970円)

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